• 2023/06/27
  • 経営者の皆様へ

IT企業向けコンサルタントからの転身 ~デジタルが秘めた無限の可能性とは~

  • 斉藤芳宜

写真)斉藤芳宜

神戸大学経営学部卒業後、大手通信会社に入社後IT 関連の新規事業立ち上げのチームリーダーを経て、2004 年に中途で船井総合研究所に入社。
15 年に渡り IT 企業向けのコンサルティングに従事。
中堅中小企業のDXを推進するデジタルイノベーションラボを経て、2022年7月に船井総研デジタルの執行役員に就任。
DX プロダクト開発および全社マーケティングを担当。「中堅・中小企業のための『DX』実践講座」(日本実業出版社)、「図解 よくわかるこれからのデジタルマーケティング」(同文舘出版) がある。
中小企業診断士。

 

中途で船井総合研究所に入社後、IT企業向けのコンサルティングに従事、現在その経験を活かして船井総研デジタルにて全社マーケティングと新規顧客開拓の責任者として、更なる挑戦をしている執行役員・斉藤へインタビューを行いました。

目次

現場経験と専門知識が織りなす、執行役員までの道のり



--まず簡単に斉藤さんの経歴について教えてください。

2004年の10月に中途入社で船井総合研究所に入社したのですが、その前はNTT西日本に在籍していました。
前職のNTT西日本では、入社してすぐにシステムエンジニアの卵みたいな感じで1年半ぐらいネットワークやインターネットのことなどを勉強し、その後、法人営業の部署に行きまして、自治体や大学、病院などの法人営業を担当していました。
その後、新規事業立上げの部署に行きまして、そこで新規事業の開発・推進を行っていました。
そんな中で船井総研に入社しようと思ったのは、NTT西日本時代に中小企業診断士の資格を取得する機会がありまして、当時は一次試験、二次試験に受かると、最後に実習というものがありました。
中小企業のコンサルティングの実地研修みたいなものですね。実際に中小企業へお伺いしてヒアリングをし、報告書にまとめるという一連のコンサルティング体験をしました。
今思うと大した報告書ではなかったかもしれません。
しかし、それを見た社長さんがすごく喜んでくれて、その時に「こういう風に喜ばれることを直接実感できる仕事がしたい!」と思ったのです。
それをきっかけに、中小企業向けのコンサルティングがやりたいと思い立ち、船井総研の門を叩きました。
今思うと人生の転機になった出来事です。
それから船井総研に入ってからは、18年ほど経営コンサルタントとして活動させてもらいました。

--船井総研時代はどのようなお仕事をされていたましたか?

船井総研に入社して最初に配属された部署がオートビジネスチームで、中古車販売店のコンサルティングを行う部署でした。
そこで、現場ベタベタの調査や、船井流コンサルティングの基礎を学びました。
配属してから半年ほど経った時に、どの分野のコンサルティングをするかの選択を迫られます。
当時は新しい業種をどんどん立ち上げていこう、自分で稼ぐコンサルティング分野を見つけなさい、という風潮がありました。
いろいろと考えた結果、当時は社内にIT企業向けのコンサルティングを行う部署がなかったので、それだったら挑戦してみようということで、IT企業向けのセミナーを計画して実行しました。
その結果、想定以上に反響があり、そこから本格的にIT企業のコンサルティングが始まりました。
IT企業向けのコンサルティングは15年ほどやってきました。
IT業界は若い業界なので、15年もIT企業向けのコンサルティングをやっているコンサルタントはなかなかいないと思いますね。
その後は、デジタル化のお手伝いを業種問わずにテーマ型で行う、いわゆるDXコンサルティングを2年ほど行い、さらにその後、デジタルを活用した新規事業開発を行いました。

--船井総研時代印象に残っている業務はありますか?

2つあります。
どちらもIT企業のコンサルティングをしている時に、現場に入ってお客さんと一緒に汗を流して実行のお手伝いをしたときの業務です。
1つめがテレアポのお手伝いです。
コンサルティングというと単に頭でっかちで報告書だけ作成して終わり、と思われがちですが、船井総研の場合は本当にリアルの現場に入って、テレアポなども行います。
このテレアポがものすごく大変で100件電話をかけて1件アポが取れるかどうか確率1%の厳しい世界だったのですが、ある工夫をしたら、一気にアポ率が10%に上がったんです。
なぜこんなに上がったかというと、お客様にメリットのある提案をするかしないかだけで、成果が10倍になったのです。
この経験から、「仕組み」の重要さを現場で初めて実感しました。
ただただテレアポをさせる会社は世の中にいっぱいありますが、そういうことはやらせたくありません。
なぜかというと自分がやってみて大変だったからです。
そういう結果につながりにくく、大変さだけが残ることをお客様にさせたくないのです。
「仕組み」があるかないかで何倍も成果が違ってくる、ということを考えさせられた経験です。
もう1つは、営業同行です。
こちらも現場ベタベタの経験です。
夏の暑い日に、本当に飛び込みに近いような形で営業同行したことがありました。
ものすごく大変だったんですけど、社長にはすごく喜ばれましたね。
もう10数年前のことですが、今でも社長からあの時はありがたかったと感謝されます。
これらの経験を経て感じたことは、現場に入って一緒に汗をかいてお手伝いすることは地味で泥臭いことですが、現場から学ぶことはとても多いということです。
決して華やかな仕事ではないですが、現場に入る経験こそが、信頼を得ることに最終的につながってくると断言できます。

--経営コンサルタントからIT企業の執行役員になった経緯について教えてください。

経営コンサルティングを長くやっていると、自分でも事業をやってみたいと思うようになる人は少なからずいると思います。
私も船井総研という看板を使って事業をやりたいな、とぼんやり思っていました。
また、IT企業のコンサルティングを長くやっていたので、ITのことはよく理解していることもあり、IT関連の事業会社で経営に携わってみたいという気持ちが心の中にあったかなと思います。
そんな中、船井総研デジタルの立上げに経営陣として参画しないかという話が来たので、それだったらチャレンジしてみたいということで、執行役員という立場で経営に携わることになりました。

--旧船井総研コーポレートリレーションズ(以下FCR略称)と旧新和コンピュータサービス(以下SCS略称)の経営統合に当事者として参画した際に気づいた点は何かありますでしょうか?

アナログでおもてなしの文化が強いFCRとIT企業のSCSが経営統合するということで、初めて聞いた時はビックリしました。
2社は全く違う企業文化でどうなるんだろう、と思ったのですが、この統合に当事者として関わって感じたことは、異質であるからこそ化学反応が起こる可能性がある、ということです。
多様性があるほうがイノベーションは起こりやすい、という話があると思います。IT企業同士が一緒になると、規模が大きくなって大体こんな感じになりそうと想像できますが、FCRとSCSの場合は、どのようになるのか想像がつかない。
逆にいうと、いろんな可能性があり、どんな化学反応が起こるのか楽しみですね。

会社の強みを引き出し、結果に結びつけるマーケティングと営業の戦略的役割とは?



--直近で取り組んでいる業務について教えてください。

私の業務として全社マーケティングがあります。
会社全体のリード獲得を最大化するための施策考えて、実行する業務です。
そして、増やしたリードをスムーズに受注に持っていく営業活動の仕組み化です。
結果として、新規顧客の開拓を行うのが私のミッションです。

--執行役員として全社マーケティングを統括する立場として意識していることを教えてください。

マーケティングというと、いろんな手法やフレームワークなどがあると思います。それはそれで大事なのですが、マーケティングで一番大事なのは、「相手の気持ちを理解すること」だと思っています。
ターゲットとしているのが企業のトップ、社長さんです。
その社長さんのことをしっかり理解して、今どういうことに困っているのか、どういうことに課題を感じているのか、夜眠れない悩みって何なのか、このようなことを生々しく理解する必要があります。
そのあたりをすごく意識しています。
マーケティングをがんばろうと思うと、どうしてもテクニックとかノウハウの方に走りがちですが、一番大事なことは何度も言いますが「相手の気持ちを理解すること」だと思います。
相手の立場に立って悩んでいることを理解して、寄り添ってあげるとことは、マーケティングをする上でとても大事です。
そして、特に重要なのは「共感」だと思ってます。
相手が共感してくれるような提案、打ち出しができれば自ずとマーケティングが上手くいくようになると思います。

--もうすぐ会社ができて1年ですが今のFSDはどうですか?

発足してから1年ですから、まだまだ整備されてないことも多く、ベンチャー企業というような感じですよね。
仕組みが整ってないから大変だという考え方もあるかもしれませんが、これからいろんな仕組みを作っていけるという意味ではすごく楽しみで、やりがいがありますね。
人生でなかなかそういう機会ってないと思うんです。
数人でスタートアップ企業を立ち上げることはあるかもしれませんが、数百人レベルの会社の経営にゼロからいきなり携わることは貴重な経験だと思ってます。

--まだまだ急成長中のFSDですが強みは何ですか?

まず1点目が企業のDXを一気通貫でお手伝いできる点です。
FCRがもともとWebマーケティングや営業などのアウトソーシングを行っていた背景があり、いわゆるデジタルマーケティングや業務のアウトソーシングができます。
一方、SCSではアプリ開発、システム開発ができます。
つまり、ITコンサルティングの上流からデジタルマーケティング、アプリ開発、システム運用、業務アウトソーシングの下流まで一気通貫でDXのサポートができるようになったわけです。
そういう意味では、中堅・中小企業がDXをやろうと思ったときにいろんな会社にそれぞれお願いするのではなくて、船井総研デジタルにお願いすれば全部やってくれる。
まさにワンストップでDXのお手伝いができる会社だと思います。
中堅・中小企業向けに、DXをここまでトータルで支援できる会社ほぼないのではないかと思います。
2点目が経営者に寄り添える点です。
元々IT企業向けのコンサルティングをやっていたのでわかるのですが、ITの世界は言葉がすごく難しいですね。
カタカナが多く、専門用語が飛び交う世界です。
これは経営者からするとすごく困ることですし、理解するのが難しいと思います。
しかし、我々はFCRの時代から含めて経営者との付き合いがすごく長く、親身な対応で経営者に寄り添えて、おもてなしができます。例えば、最新のデジタルがどういうものなのかということを、経営者に対して分かりやすい事例でデジタルのことが伝えられること、そして相談に乗れること。
そこが他のIT企業やシステム会社にはない強みだと思います。

成功事例から学ぶデジタル変革の道筋



--まだデジタルが進んでいない未整備の会社が多く困られている経営者は多いと思います。こういう場合はどこからデジタル化に取り組めばよいですか?

小さくてもいいので成功体験を積むことがすごく大事だと思います。
成功体験が自信にもつながってくるし、どんどんいろんな事がやりたくなってくると思います。
そういう意味では、効果が出やすいところから小さく実行してもらった方がよいと思います。
効果が出やすいというのは会社、規模、業種にもよりますが、1つは売上アップにつながるようなデジタルマーケティング(MA・CRM)やセールス(SFA)の分野です。
このあたりにデジタルを使っていくというのは効果的だと思います。
会社の規模が大きくなるとバックオフィスが弱いことが、売上拡大のボトルネックになってしまうケースもよくあります。
バックオフィスがしっかり整うと、スムーズに売上があがっていくことが多いです。
とにかく効果が出やすいところから、小さく成功事例を積んでいくことが大事だと思います。
ただ、自社のどこを改善すれば、一番効果が出やすいのか分からないことも多いと思います。
案外自分のことって、自分でも分かっていないこともあると思いますが、我々のような第三者がお話を聞かせてもらうと、ここが効果出そうだなという点が明確になります。
ぜひ、ご相談いただいた上で、成果が出やすいところからトライしていただくのが、一番リスクが低く成功確率が高くなると思います。

--デジタル化で躍進しそうな可能性を秘めた企業や業界はありますか?

まず前提として、すべての業種がデジタル化に取り組まないといけないと思いますが、やはりこれから伸びる業界というのは、人手不足が深刻になるので、特にデジタルが必要でしょう。
日本では、何が伸びているかというと、高齢者が間違いなく増えますね。そういう意味では医療ヘルスケアの分野というのはとても有望です。
また、この業種はデジタル化も遅れているので、我々も狙っていきたい業種ですね。
あとはインバウンドとか観光系ですね。
日本は世界に誇れる観光資源がたくさんあります。
フランスやイタリアのように観光客がたくさん来て、お金を落としてくれるような国になれるポテンシャルは十分あると思います。
日本は独特な文化やカルチャーがあり、外国人が大好きな食事も含めて、独自性が高く、外国人にとても人気がありますから、それらを活用して日本をもっと元気にできるのではないかと思ってます。
特に観光業は人手不足の問題が深刻化しており、コロナで一時期人を切ってしまったので、いきなり観光客が戻ってきても人が全く足りてないという状況です。
まさにデジタル化で業務を効率化、自動化しなければいけない業界です。
そういう意味では観光業界も非常に有望だと思います。
そう考えると、成熟している業界こそ、デジタルに取り組むと、売上の伸びしろは大きいと思います。

--「これは」と思うような中堅中小企業のDXでの成功事例などはありますか?

伊勢にある老舗食堂のゑびやさんがDXのお手本だと思います。
もともと古い食堂だった会社がデジタル技術を活用することで、様々なデータを駆使してデータドリブン経営を実践し、業績が上がっています。
私は何度か視察にお伺いしたことがあるのですが、ゑびやさんの何がすごいかというと、「テストマーケティング」がすごいんです。
毎日何かの施策を試して、その効果検証をしっかりやっています。
データで全て取れるようになっているので、例えばビールを半額にしたりとか、無料にしたりを試してみて、その結果客数がどうなったか、その数値を全部記録しています。
このような仮説検証のサイクルを回す速さと精度のレベルが全然違うなと思います。
ゑびやさんがやっていることを単に真似しても、似たようなレベルには行かないだろうなと思います。
本当に毎日細かいテストマーケティングを実施して、それによって知見がどんどん貯まっていき、まさにデータドリブン経営を体現しているなと思います。
まさにDXの成功事例だと思います。
もう1つ挙げると、静岡県焼津市にある家具のメーカーのFPKナカタケさんです。
この会社は、コストを最小限に抑えつつ上手にデジタル化している会社です。
コストを抑えるというのは、中堅・中小企業にとってすごく大事なことだと思ってます。
大企業と違ってドカーンと投資はできませんから。
大きな投資をしなくても、Microsoft365や無料のデジタルツールを上手く活用して、家具の製造工程の見える化や、受発注の管理などお金をかけずに上手にデジタル化で経営効率を上げている点がとても素晴らしいと思っています。

中堅・中小企業が絶対に取り組むべきデジタル化への発想



--中堅・中小企業がデジタル化する中で成功のポイントは何ですか?

まずは目的を明確にすることです。
意外とそれができてないケースが多いと思いますね。
デジタルを導入する際にやらないといけないことは沢山あると思いますが、「何のために」デジタル化をするのかが重要です。
実は、目的の設定に困っている方も結構いて、実現したいことや目的があってデジタルを活用するわけですから、その目的や実現したいことをしっかり明確にしないと何も始まらないわけです。
何でもそうかもしれませんが、何かを成し遂げようと思ったら、目的を設定することが一番大事になってくるのではないでしょうか。
もう1つが、良き相談相手を持つことです。
業務も理解していて、デジタルのことも詳しい人材なんていうのはなかなかいないと思います。
例えば、システム開発会社さんはデジタルには詳しいですが、意外と業務が分かってなかったりすることが多いと思います。
一方、社内を見てみると、業務のことは分かっているけど、デジタルのことはよく分からないと。
業務とデジタルの両方を分かっている相談相手を持つことが本当に大事になってきます。
自社だけでデジタル化を推進することはなかなか難しいと思います。
そういう意味で、目的を明確にして、良き相談相手を見つけることが成功の秘訣だと思います。

--デジタル化とDXの違いをあまり実感していない方も多いと思います。それらの違いと、進め方について中かアドバイスなどはありますか。

デジタル化は簡単に言うと、アナログからデジタルへ変わるということ。
何から何に変わるかというと、アナログからデジタル、つまり紙をデータにする。
それが基本的なデジタル化です。
DXはさらにレベル感が違いまして、「デジタルトランスフォーメーション」なので、変革なんですよね。
これはよく言われたりしますけど、ビジネスモデルの変革を意味します。
デジタルを活用して、ビジネスモデル自体が変わること。DXというのは本当にレベルが高い話なんです。デジタル活用の最終到達形みたいな感じです。
デジタル化で会社にあふれている紙をなくす、アナログでやっていたことをデジタルに変える。
そして、その先にDXがあり、ビジネスモデル自体を変えていくことになります。
デジタル化やDXの進め方としては、まずは同業他社でデジタルの取り組みが進んでいる会社を徹底的に調査・ベンチマークすることから始めるとよいでしょう。
同業他社の中には必ずデジタルに長けている会社が必ずあります。
そういう先進的な会社は業界紙などに載っていたり、結構注目されていたりします。
それを見つけること自体は難しくないと思います。
そのベンチマーク企業を見つけたら、できれば人脈をたどって、直接話を聞かせてもらったり、取材依頼するなどそこから始めるのがよいです。
そういう会社は、取材慣れしていて、意外とすんなり受け入れてくれたりします。
進んでいる会社を見つけて、良い取り組みを真似る。
それがDXの進め方としては遠回りに感じるでしょうが、実は近道です。

--最後に読者へ一言お願いいたします。

何かデジタル施策やDXに踏み出す際に、困ったことがあったり、気になってるけど今さら相談できないことがあれば、ぜひ我々に相談してほしいですね。
我々は経営者の方との付き合いも長いですから、経営者にとっての良き相談相手になれると思ってますし、他社とは自信と実績が違います。
今まで解決しなかったこともプロに相談したら一瞬で解決することも数多くあります。
ぜひ気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。

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